後藤彰信(社会思想史研究者)

大正デモクラシーの旗手吉野作造を生んだ宮城の地から、ひやざきさんの想いの実現を望む。吉野は、中国古代の思想家荘子を好んだ。政治そのものが無用になるような理想社会を遠く望む一方で、民衆を政治の主体として鍛え上げる努力を怠らなかった。この理想主義的現実主義こそが、「プロの政治組織と市民社会が乖離」している現状を乗り越える手立てとなると信じる。高い理想を掲げつつ市民一人ひとりが公共の関心のもとに集う、新しい政治運動の誕生を心待ちにする。

後藤彰信(社会思想史研究者)